10月の日経平均は、不安定な外部環境を受けて大きく下げました。10月2日にバブル経済崩壊後の最高値、2万4270円(終値ベース)をつけたものの、その後急落。10月の下落幅は前月末比2199円に達しました。11月に入っても、今のところ大きく戻すには至っていません。
上場企業の業績は好調を維持しているところが多く、日経平均のPERは12倍台まで低下しており、過去の平均PER15倍と比較すると割安な印象を受けます。では今が底値なのでしょうか。
PERは予想利益がベース
みなさんご存知の通り、PERの計算方法は「現在の株価÷EPS(一株あたり当期純利益)」です。11月22日現在では、日経平均21,646.55円÷EPS1,772.85円=12.21となります。
このEPSはあくまで当期予想される利益がベースとなるので、市況環境によって増減する可能性が大いにあります。
今期は業績好調の企業が多く、年初のEPS1,520円から1,772円まで順調に伸ばしていますが、市況環境の悪化により来期のEPSが低下すると、同じ株価でもPERは高くなります。個別銘柄にも同じことが言えますが、PERだけ見て割安と判断しないほうが賢明と言えます。
トレンドとファンダメンタルにも注目!
底値かどうか判断する上でPERも重要な指標ではありますが、やはり基本はトレンドとファンダメンタルを把握することだと思います。
トレンドを見ると25日平均線を下抜けしていて、明確な方向性が出てくるまでもう少し様子見で良いかなという印象ですし、ファンダメンタルから考えても、米中の貿易摩擦やFOMCの利上げ予測など海外の市況環境が不透明なので、株価が上昇しづらい状況ではないかと思います。
アメリカの中間選挙後のアノマリーを信じるのであれば、年末にかけての株価上昇の可能性に乗るという手もありますが、“休むも相場”でもう少し方向性がでるまで様子見してもよいのではないでしょうか。