先日、個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用管理機関を見直しを行いました。移管分は無事に手続きを終え運用指図しているのですが、今年から可能になった積み立てはまだ出来ておりません。
というのも、「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」という書類に会社の押印をもらわなければならず、何となく煩わしくて先延ばしにしていました。
このままだとまだまだ先延ばしにしそうなので、あらためてiDeCoのメリットとデメリットを再確認してみたいと思います。
iDeCoのメリットとデメリット
最大のメリットは掛金額の全額所得控除
iDeCoの主なメリットは2つあるかと思います。
1.掛金額の全額所得控除
2.運用益の非課税
このうち、2の運用益については運用次第で元本を下回ることもありますので、確実なものではありませんが、1の掛金額の全額所得控除については確実に享受できるメリットです。
例えば、年14.4万円(1.2万円/月)を拠出していれば、14.4万円全額が所得から減額され、それに伴い、所得税と住民税も減額されます。
以下は所得ごとの目安となる控除です。
課税所得 |
税率 |
年間節税金額 |
|||
所得税 |
住民税 |
年間掛金 14.4万円 |
年間掛金 27.6万円 |
年間掛金 81.6万円 |
|
195万円以下 |
5% |
10% |
2.16万円 |
4.14万円 |
12.24万円 |
195万円超 330万円以下 |
10% |
2.88万円 |
5.52万円 |
16.32万円 |
|
330万円超 695万円以下 |
20% |
4.32万円 |
8.28万円 |
24.48万円 |
|
695万円超 900万円以下 |
23% |
4.752万円 |
9.108万円 |
26.928万円 |
|
900万円超 1,800万円以下 |
33% |
6.192万円 |
11.868万円 |
35.088万円 |
|
1,800万円超 4,000万円以下 |
40% |
7.2万円 |
13.8万円 |
40.8万円 |
|
4,000万円超 |
45% |
7.92万円 |
15.18万円 |
44.88万円 |
引用:楽天証券 2017年度版イマカラ 個人型確定拠出年金ガイド
生命保険にも保険料控除はありますが、支払額全てが控除されるわけではありませんから、iDeCoの掛金額全額控除は非常に大きなメリットです。
早く始めれば始めるほど、長期間で控除を受けられますので、迷ってる間に加入してしまった方が良いです。
積立て投資の習慣化
税制面でのメリットに加え、月々の積立てによる長期の資産運用を行う習慣も身につけられます。
iDeCoを始めると、月の掛金が口座から引き落としされ、積立てされていきますので、これから積立て投資を始めようと思っている方には最適な仕組みだと思います。
デメリットは?
もちろんデメリットもあります。
1.60歳まで原則解約不可
2.運用次第では拠出額の元本を下回る可能性がある
ひとつめは、60歳まで原則解約不可と、流動性が低いことです。急にお金が必要となっても使うことは出来ないので、老後の資金と捉えておく必要があります。
裏を返せば、確実に老後の資金を作り出す仕組みとも考えられますから、積立て額を無理なく可能な範囲で設定し、継続して行くことが出来れば、問題ないかと思います。
もうひとつは、運用次第で拠出額の元本を下回る可能性があることです。
元本が保証される貯金のような商品もありますが、毎月管理手数料が引かれます。手数料が積み重なっていくことを考えると、厳密には元本保証とは言い切れないかなと思います。
折角運用益が非課税になるのですから、投資信託等で運用した方がメリットを活かせますが、投資商品なので利益が出ることも損が出ることもあります。市況を見ながら運用商品を変えるなど、細やかなメンテナンスで利益を伸ばし、損を抑える対応は必須です。
改めて見直しても、デメリットよりもメリットの大きい制度だと思います。一刻も早く始めて、老後の資金作りのひとつの手段として上手く活用していきたいですね。